叙勲・褒章とは？お祝い・記念品の基本マナー

「叙勲」の種類は大きく分けて5種類で、大勲位菊花章（だいくんいきっかしょう）・桐花大綬章（とうかだいじゅしょう）・旭日章（きょくじつしょう）・瑞宝章（ずいほうしょう）・文化勲章があります。
大勲位菊花賞や桐花大綬章は、内閣総理大臣や衆議院・参議院の議長、最高裁判所長官の三権の長を務めた方になどに授与されます。旭日章は、功績の内容に着目し顕著な功績を上げた方に、瑞宝章は公務などに長年にわたり従事し功績を挙げた方に授与されます。
文化勲章は、科学や文化の発達に関し特に顕著な功績のある方が対象となります。

褒章は、授与対象に応じて6種類あります。

祝賀会やパーティーにはさまざまなマナーがあります。参加する際は、事前によく確認しておきましょう。

祝賀会の服装は、略礼服（平服）がドレスコードに指定されることが多いです。

男性の場合、ダークスーツにワイシャツ、ネクタイを合わせます。女性は、ワンピースやスーツで上品な装いを心がけましょう。

服装の指定がある場合は、必ず従ってください。略礼服でもネクタイやポケットチーフ、控えめなアクセサリーなどの小物をうまく使うとよいでしょう。

注意点として、主催者側よりも華やかな服装は避けなければなりません。

ここでは、祝賀会の会費について紹介します。

金額表記がある会費制の祝賀会では、会費の中にご祝儀も含まれています。

招待状に記載された金額以外にご祝儀を準備する必要はありません。会費はご祝儀袋に入れず、そのままの状態でも問題ないとされています。会員制の場合は受付を済ませる際に支払うのが一般的です。

金額表記がない会費制の場合も、会費の中にご祝儀が含まれていることが多いです。会費の表記がない場合は、会場の料金を事前に調べ、お祝い分を上乗せして支払うとよいでしょう。

なお、相場は約5,000〜50,000円と幅が広い点に注意してください。会費扱いになるのでご祝儀袋に入れる必要はありません。金額を自力で調べるのが難しい場合は、他の参加者と相談するか、主催者に確認するとよいでしょう。

自分が主賓よりも立場が上の先輩・上司である場合、会費が不要な招待客扱いになることがあります。

招待客の会費は不要ですが、会費に見合う額、またはそれ以上のお祝いを贈らねばなりません。会費がわからないときは、主催者に確認を取るとよいでしょう。

なお、お祝いとしてご祝儀を渡す場合は、会費ではないのでご祝儀袋に入れて渡すのがマナーです。

受章パーティーでは、当日にご祝儀を持参することが一般的です。会費制の場合、参加費がお祝いの役割を果たすため、別途お祝いを用意する必要はありません。

ただし、特別な思いを込めてお祝いを贈りたいときは、追加で贈ってもよいでしょう。参加者で同じようにお祝いを贈りたいと考えている人がいる場合は、連名にして贈る方法もあります。

祝賀会やパーティーに参加できない場合、受賞直後は忙しくなりやすいため、10日後くらいを目安に祝意を伝えるとよいでしょう。

方法としては、祝電を打つか、のし付きの贈り物にメッセージカードを添えて贈るのがおすすめです。

メッセージカードには、お祝いの言葉だけでなく、パーティーに参加できなかったことへのお詫びの言葉も添えるとよいでしょう。

ただし、親しい相手であっても、叙勲・褒章は国家からの最高の栄誉であるため、冗談や軽口などは控えてください。

個人的にお祝いをする場合は、知らせを受けた日から10日前後が目安です。あまりすぐにお祝いしに行くと、まだ忙しくしている可能性があります。

また、お祝いをする前には、事前に連絡を入れて相手の都合やスケジュールに問題ないかを確認する気遣いが必要です。お祝いの方法は、食事に誘う、自宅に伺う、プレゼントを贈るなど、相手との関係性やお互いの都合に応じて選びましょう。

叙勲・褒章は非常に栄誉あることですが、相手の気持ちを考えたお祝いをすることが大切です。

相手の負担にならないよう、素直なお祝いの気持ちを伝えましょう。

祝電の内容がうまくまとまらない場合は、これから紹介する文例を活用してみてください。

〇〇章のご受章おめでとうございます。長年のご功績が認められましたこと、心よりお喜び申し上げます。今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。

この度の栄えあるご受章を心からお祝い申し上げます。これまでのご尽力に敬意を表すとともに、今後のさらなるご発展をお祈りいたします。

ご受章の栄誉を賜り、誠におめでとうございます。長年の努力が実を結ばれましたこと、大変うれしく存じます。ますますのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

身近な人が叙勲または褒章受章の知らせを受けたら、まずはお祝いの言葉を贈るのが大切です。

電話やメール、手紙などでお知らせをもらったら「おめでとうございます」と伝えましょう。親しい間柄であれば駆けつけて直接お祝いの言葉を贈るとなおよいでしょう。

お祝いを受けた場合は、他の冠婚葬祭同様にお礼をするのが一般的です。
記念品は叙勲・褒章の祝賀会を開催するのであればその際の引出物として用意をします。そうでない場合には授与式後の2週間前後を目安に贈るようにしましょう。

ここでは、お返しに関するマナーを紹介します。

受章のお祝いに対するお返しは、通常「内祝い」や「叙勲記念品」という形で行われます。

内祝いは、お祝いをしてくれた方々への感謝の気持ちを込めた贈り物です。一般的には、お菓子や食品などの消耗品が選ばれることが多くなっています。

叙勲記念品は、受章を記念して作られた特別な品で、たとえば受章者の名前や受章日が刻まれたペン立てやフォトフレームなどがあります。

祝賀会を開催しない、または主催しない場合、個別でお返しを贈ります。

お返しの品は、内祝いや叙勲記念品などから選び、お祝いをしてくれた方の気持ちに見合ったものを選びましょう。また、贈り物にはお礼状を付けることも大切です。

最後に、叙勲・褒章のお祝いや内祝いにおすすめのギフトをご紹介します。

人生で幾度もないおめでたい叙勲や褒章の受章。自分には関係ないかもと思っていても身近な方が受章することもあるかもしれません。いざというときにしっかりお祝いできるように準備ができるといいですね。